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Moon Walkers

Time_jul27 本日届いたTIME誌、2009年7月27日号です。
ただただ、感慨のため息です。
人類が月に到達したあの日から40年が経過したのですね。
この写真は余りにも有名で、アポロ計画の象徴であるかのように幾度も目にしてきました。身近に感じていただけに、それほどに過去の物であったとは……。頭でわかったつもりでいても、改めて40周年と書かれて、その間に何が起きたか……冷戦後の世界、ベルリンの壁の崩壊、ソビエトの消滅、セルビア・コソボ紛争、湾岸戦争、9.11同時多発テロ、イラク侵攻、そして経済危機…40年も試行錯誤の時を経て、世界は果たしてよくなったのか悪くなったのか……

さて、感慨を抱いて表紙をめくった途端に、これまたやられた!と思いました。


Time_louis_vitton

これはルイ・ヴィトンの見開き広告です。
TIMEにはよくヴィトンの広告が載ります。有名人を起用しながら、その人となりを生かしたとても自然な写真で、商品は慎ましやかな小道具、点景として画面に収まっているだけで、見ても楽しい仕上がりになっています。最近ではアウトドアを楽しむショーン・コネリーや、フランシスとソフィアのコッポラ親娘の写真など記憶に残る作品があります。
今回の月面到達40年とタイアップした写真には参ったと思いました。
Some journeys change mankind forever, Sally Ride, first American woman in space. Buzz Aldrin, Apollo 11, first steps on the moon in 1969. Jim Lovell, Apollo 13, commander. とあります。
3人の宇宙飛行士、その中には月の上を歩いた事のある人物も含め、それぞれの思いを胸に遙かに輝く月を見つめる。実にドラマを感じさせる演出です。
もちろん実際に夜半の月を見上げたの実写ではなく、おそらく撮影はスタジオであろうし、計算された服装、車など一流のアーティストの作り上げた映像でしょうが、狙いとするところの情感を伝えた手腕には舌を巻かずにはいられません。
宇宙は計り知れなくも広大なのに、人生は短い。しかしその刹那とも言える人生の、そのまたほんの短い時間に宇宙に直に触れる体験をもち、その体験が彼らの人生をまた、大きく変えることになった。
彼方に見える月は、その上を歩き、その周囲を回った、本人にとってもそれは実際の体験であったのかすら定かでない夢のような姿を見せている、それは初めての人類がこの世界に現れて以来変わらぬ姿を保っている。そして私たちの目にもおなじ様に映っている。
そんなことをつらつらと考えさせられる見開きページでした。

Time_moonwalkersこちらがカバーストーリー、タイトルがMoon Walkers。右ページ大写しはオルドリン氏。マイケルに対するオマージュも感じられて、ほっこりした気持ちになりました。
明日は皆既日食が日本で見られます。当地では部分食ですが、晴天になることを念じながら、束の間の天体の音楽に耳を傾けたいと思います。


Death in Modena

Pavarotti_f

ルチアーノ・パヴァロッティ氏が亡くなった……
青天の霹靂、寝耳に水のニュースに思わず嘘でしょう!と叫んでしまった。
しかし、うち消すことはできなかった。享年71才。膵臓ガンの手術後、モデナの自宅で療養中だったそうだ。
思えば、昨年トリノ冬季オリンピックの開会式で思いがけなくも聞かせてもらった、あのかくも有名になってしまったプッチーニのオペラ「トゥーランドット」のアリア、Nessun Dorma (誰も寝てはならない)、あれが絶唱だったのかと。
公式に引退を宣言してから最初にして最後の実声だった。
"King of High C"といわれた、あの高音の伸びと広がりを出せる人はもうでてくることはないだろう。
四回のサッカーW杯で、プラシド・ドミンゴとホセ・カレーラスと共に三大テノールの共演を実現させて、中でも一番輝いていた。
最後の三大テノール世界ツアーの際、日本公演でのプラチナ席の高額さでも話題を振りまいたものだ。

世界のオペラ界から巨星が一つ墜ちた。私たちは黙して目を閉じ、心の中に朗々と流れる彼の歌声に耳をすまそうではないか。