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イタリア Viaggio corto8

旅も最終日、空港へ行くまでの約6時間ローマの中を歩き回ることになりました。
限られた時間で動ける範囲は狭いのですが、ホテルが町の中央にあってほとんどの史跡へ歩いて行けます。サン・ピエトロやヴァチカンまで徒歩で15分もあればつきます。旅行出発前には2,3時間並んでもヴァチカン美術館へ入ろうと思っていましたが、それだけあればもっと他のところも見て歩けると気づき計画変更です。

8時過ぎにホテルを出てまずテヴェレ川に向かいました。
あちこちにイタリアカサマツが見えます。カサマツと糸杉、これぞイタリア! を実感させてくれる景色です。

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公園を抜けると最高裁判所。どっしりした大きな建物です。早朝で人気はありません。

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この手の建物がいたるところにあるのがローマ。見慣れてしまえば何でもないのかもしれないけれど、わたしたちはただ驚異の目をみはるだけ。
カブール橋からテヴェレ川を渡って川沿いに歩きます。10分ほど歩くと次の橋が見えてきます。右へ入るとすぐにポポロ広場です。

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ポポロ広場、オベリスクが目を引きます。右手後ろに見えるのはサンタ・マリア・デル・ポポロ教会

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早かったので中へは入れませんでした。ぜひともキージ礼拝堂を見たかったのに!
そう、ダン・ブラウン原作の映画「天使と悪魔」の舞台となった場所を歩こうというのが今回の目的なのです。
本ではここでイルミナティによって最初の枢機卿が殺害された場所です。
教会を背に逆方向を向くと道が三本放射状に延びています。その道の間に立つのが双子の教会。

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映画でもしっかり背景に映り込んでいます。
左の道をまっすぐ行くと「ローマの休日」のスペイン階段に出ます。この際どこでも歩けるところは歩くぞという意気込みで頑張ります。でも……暑かったなあ。
スぺイン階段から今度は正面の道をたどると、ちょうど先ほどのポポロ広場から出る3本の道が作る二等辺三角形の底辺を歩くことになります。(左右の道が等しい辺、真ん中の道が底辺に下した垂直二等分線)
軒並みブランドショップが立ち並びますが見ても買えないし、まあ目の肥やしということで。開店前のショーウィンドウを眺めながら行くと垂直二等分線の道に出ます。ここで左折です。
地図とショップを交互に見ながら行くと右手にあるのがコロンナ広場。

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マルクス・アウレリアスの記念柱、世界史の教科書にも写真が載っています。
普通の感覚で行くとこういう目を引く史跡は遠くからそれとわかるはずなのにすぐそばまで行かないと視界に入ってきません。
道の両側に同じ高さの石造りの建物がどこまでもずっと続いているように見えます。ところが史跡の直前になって建物が切れると忽然として広場が現れそこにぬっくとこういう柱やオベリスクが立っているというわけです。なかなかマップ通りにそこに見えるとは限らないのですね。

コロンナ広場から右に折れて細い道を抜けるとそこに見えてきたのは―――パンテオン!

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正面から見るとギリシアの神殿のような破風が見えます。中はご覧のとおりですね。

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予期はしていましたが、壮大さに度肝を抜かれます。天井に開いた穴は直径9mだそうですが、円天井がとてつもなく大きく感じられます。たくさんの観光客がいてみんな一様にまず天井の写真を撮っています。

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人々の話声が混然となって反響して、ただ「騒がしい」とか「雑然とした」とか「五月蠅なす」というのではない、たとえて言えば現世の生きる者のたてる音、卑小な自分もその一部である神ならぬ人が短命なるがゆえに一生懸命生きている証のような活力を持った一塊の音というか心地よいざわめきが聞こえます。
その音が徐々に高くなると各国の言葉で「お静かに」というアナウンスが流れます。ちなみに"Silence, please"。残念ながら日本語はありませんでした。

ここにラファエロ・サンティの墓があります。「天使と悪魔」ではラングドンは最初ここで処刑が行われると予測するのですが、実は先に見てきたポポロ教会のキージ礼拝堂だったことが明らかになります。

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パンテオンは一つの大きなドームの形をしています。そのドームの円周上にいくつも窪みがあってそこが墓や礼拝所になっています。ここがラファエロの墓。

やがて天井から差し込む日光が強くなり、内部にはっきりした影を落とし始めました。

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パンテオンを見て目的の半分は達成された感じがします。名残惜しさ感じながら、次なるナヴォーナ広場へと向かいました。

イタリア Viaggio corto7

今回の南イタリア旅行の心に秘めたるハイライト!
ナポリ郊外にあるカゼルタ宮です。
思い入れのあるところなのでついつい画像が多くなりましたがお許しあれ。
まず正面から一枚。

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知る人ぞ知る、SWエピソード1,2でナブー宮殿のロケ地となったところです。
細長い箱型に見えますが実は田の字型をした建物。
外見はヴェルサイユに似ています。それもそのはず1700年代中ごろにブルボン家のナポリ王がヴェルサイユに勝るとも劣らない宮殿をと建築させたものです。
長方形の田の字の箱型をしている宮殿は5階建てで中庭が4つ。
全部屋数は1200余だそうですが公開されているのは2階の36室のみです。しかしどの部屋も「極彩色」の「満艦飾」でそれらを見るだけでも結構満腹で疲れてしまいそうです。

まずは1階の通路から天井を撮りました。貝の意匠がおおらかでおもしろい。1階は基本的に建物の正面から庭へ通じる通路です。P1160804s_3


正面から入るとすぐ左に2階へ上がる大階段があります。
大理石で作られた幅広の階段、段差は低いのですがそれだけ重々しさが増えるようです。目を挙げると正面左右に見えてくる王権の象徴のライオン像が威圧的です。

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この大階段が映画に現れたのはSWだけではなかったのですね。ダン・ブラウン原作の「天使と悪魔」でヴァチカンの内部に使われています。
そうするとユアンはこの階段を2回も違う映画で上ったんだねえ、などと人知れず含み笑いが出ます。
ちなみに「ミッション・インポッシブル3」でもヴァチカンとして使われていたらしいですね。これはまた見直さなければなりません。

ライオン像のところから階段は左右二手に分かれて反対方向に上ります。上りつめると白い小部屋が周囲に配置された広大な玄関広間があります。
フィレンツェのドゥオーモのように白、緑灰色、桃色、茶褐色のさまざまな色合いの大理石の柱や壁が美しい。

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あの窓。近づいて外側へ回ってケーブルで上へ登ってみたくなりませんか?

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階段をあがったところから見渡すと小部屋がらせん状に広間を取り巻いているのが見えます。
全体に縦長の窓が多いので四方から光が入って重厚なのに明るさがあります。

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何度見ても見飽きない円天井。この時代にしてはそっけないほどの装飾のない単純なつくりに却って荘厳さが感じられます。
どこを見ても映画のシーンが浮かんでくる……因果ですねえ。

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SWの妄想が冷めやらぬうちに王宮の室内へと進みます。
そこは目のくらむようなロココ式内装の部屋が続きます。(一応)撮影禁止だったので職員さんの目を盗んで少しだけ撮影。

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部屋ごとに天井絵は変わり豪華絢爛な意匠からたいそう落ち着いた隠れ家的な天井画もあり。

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壁全体に織物を配した小部屋。

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4部屋も続く図書室。ここには望遠鏡、地球儀、天球儀もあります。

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上ばかり見て歩いていると首が疲れてきます。
天井画はフレスコ画なのでこれだけ集約して緻密に描かれていても重みは感じません。とはいうものの、こういうところで毎日暮らすとしたらストレスがかかるだろうなと、どうしても庶民的発想が頭をもたげます。

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庭園へ出ました。はるか彼方に大滝があって人工池と彫刻に囲まれた噴水があるのですがとても短時間では歩いて往復できそうにもなかったので残念ながら断念。
縁石に腰かけて興奮を冷ましていると緑の草の中にこんなものが。

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気がつくとあちこちに見えます。手のひらに収まりきれないほど大きかった。まさに妖精の腰かけとはこれのこと?

カゼルタ宮殿、本当に自分の目で見られると思っていなかったところだけに感慨ひとしおでした。
これだけの大きな建築物が保存状態もよく管理されているのにまたまた感心しました。あまり人に知られていないところだけに観光客も少なく、落ち着いた充実の午後のひと時を過ごすことができました。よかったー

イタリア Viaggio corto6

マテーラ、そして再びアルベロベッロへ。異郷の地で見た仲秋の名月

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アルベロベッロから車で一時間ばかりのところに世界遺産登録都市のマテーラがあります。
サッシと呼ばれる石灰岩の中を掘り抜いた洞窟住居が延々と上下に連なっています。
人が住みついたのは紀元前で川の対岸の山にはまさに洞窟の形をした穴の入り口が散見されます。

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古くから南イタリアの貧しい小作農の住居の典型とされていて特に第二次世界大戦後は居住環境は極めて悪く、狭い洞窟で通気、採光が悪く湿度は高く、そこに最低6-7人の家族が家畜とともに暮らしていて乳幼児の死亡率は50%にも達したという、壮絶な話を聞きました。
イタリア政府が洞窟住居から半強制的に住民を移住させて半ば廃墟と化したのですが、建築学上保存が好ましいと政府が方針を転換して世界遺産への登録後に人々が戻り始めた、そして今日に至っているということです。住居の上に道がありまたそこに住居があるという何階層にも重なって作られた住居群は確かに他では見られない奇観です。
現在はもちろん内部を快適にする改築がなされていますが、外観を保つために窓枠は緑、雨どいは茶と細かく規定があるとのことです。

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当時の暮らしを再現した洞窟住居。くりぬかれた部屋がつながり台所から馬、鳩の飼われている場所、飼葉置きのくぼみ、農具や生活用具、食器、揺り籠、大きなタンスの形をしている穀物入れ、そして下からの湿気を避けるために踏み台を使わないと上がれないような高いベッドなどが一つの洞窟の中に全部詰まっています。
最初こそひんやりしましたが、説明を聞いているうちにだんだんじっとり汗をかきだしました。開口部が少ないために湿度が高くなるのを実体験したというわけです。

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マテーラから戻るとすでに夕暮れが迫り、商業トゥルリ地区へ行くと灯りがそこそこにともり始めていました。なにげにかわいらしいトゥルリ。屋根の白いマークは呪的なものだとも、単に他と区別する目印だとも。

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ホテルを出ると折しも月の出が。

9月19日仲秋の名月です。
月々に月見る月は多けれど……ではなくて土地土地に月見る土地は多けれどいづくも同じ秋の名月(はっはっ!)
写真を撮っておいて正解でした。このあと月は雲の後ろに隠れ、ついにその晩姿を見せませんでした。
このあと地元のレストランへ行って食べたムール貝がおいしかったこと! ピッツア・マルガリータのでかかったこと!
これはまた別のお話です。

イタリア Viaggio corto5

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イタリア半島は長靴の形をしていますよね。
ナポリ、カプリ島、ソレント、アマルフィ、ポンペイと回ってきましたがここらは全部足の前部の甲のあたりにあります。
そこからバスでちょうど後ろのくるぶしのあたりまで移動しました。半日以上かけて。。。

たどり着いたのが近年世界遺産に登録されてから有名になって人気がでたアルベロベッロ。
石造りの円筒形の白い壁とその上に乗っかったとんがり屋根、小さい家が林立する不思議にメルヒェンチックな(おーや、おやドイツ語と英語と日本語が入り乱れてる)写真を一度は目にしたことがあるでしょう?

小さな町、村と言った方が当たっているかもしれません。暗くなってから到着したので町の様子はまだ不明です。
食事を済ませてから町の中心にあるプラザ(広場)に出かけて一番大きな通りを歩きました。
なんと、そこに見えたのが「ルミナリエ」。
そうか、本場はイタリアでしたね。
残念ながら点灯していませんでしたが、そのままどんどん進むと突き当りの教会前の一部だけが穏やかな光を投げかけていました。商店はもう閉店していましたが、バールは開いていて中には熟成中の生ハムが天井から下がり、お取調べで自白させるときに足の上に載せる石のような丸チーズが積んであったりと、見るだけでもわくわく。

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翌朝町へ出てみると、昨夜とは様相が一変して空地だったところに、所狭しと露店が立っているではありませんか!

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木曜は市の立つ日でした。つまり大当たりだったわけです。
予定では立ち並ぶトゥルッロ(一つ部屋に一つ屋根の意)これが複数形でトゥルッリ群を見に行くはずが、急遽変更、まず市を覗いて歩くことにしました。
やはり多いのが靴と衣料品。
靴は確かに安い!ちょっとしたサンダルで10ユーロとか。
衣料品も大抵が安くてちょっと遊びに買ってみてもいいかなと思えるほど。
他にも日用品、手芸材料、下着に靴下、台所用品などなど実用的なものもたくさん。
観光客目当てでしょうか、スカーフとかテーブルクロスみたいな大きな布物もあります。

ついつい大判ストールを5ユーロで買ってしまいました。

市は広場から教会までのメインストリート沿いにずっと続いています。教会を過ぎるとそこからは静かな住宅地。
とんがり屋根のトゥルッリが立ち並びさながら迷路のようです。トゥルッリ群は2か所に大きく分かれていて外部からバスの入ってくる大きな道の左は完全な商業地。こちらの教会の後方は人の住む居住地です。

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実際に人が生活しているのですから、観光客にも騒々しくしない、勝手に家の中を覗いたり承諾なしに内部の写真を撮ったりしない、車が通行するので気をつけることなど、いろいろ注意があります。
雲一つない晴天、抜けるように青い空、白い壁とグレーの屋根石の落ち着いた調和に、まったくの異国にいるのに不思議と心が和みます。辺りは静かですますが、時折車が通ったり、煙突から煙が立ち上ったり、ごみを出しに行くおじさんが家から出てきたりして生活感があります。

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緩やかな上り坂の頂上に"トゥルッロ・ソヴラーノ”(王者のトゥルッロ)という二階建ての大きなトゥルッリがあります。
内部は博物館になっていてたくさんの部屋に別れていて当時の暮らしの様子がうかがえます。

一本の柱もなく石灰岩の石を積んだ土台を作りその上に平べったい石灰岩を円錐形に積んでいくそうです。土台の方は白く屋根の方は次第に色が沈着して茶っぽいグレーに変化していくとか。頂上に魔除け的な白い飾りがついているものが多いようです。
今でこそ各家に木製のドアがついていますが、昔はドアもなく入り口はビーズの暖簾みたいなもので仕切っていたということです。今でもドアの外にビーズの間仕切りのようなものを下げてあるお家もたくさんありました。

アルベロベッロの不思議空間を十分に堪能して、昼からはもう一つの世界遺産の町、マテーラへと向かいました。