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四つの署名———フリーマンによる前書き

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さて、大詰めに近づいてきました。今回は「四つの署名」前書きはマーティン・フリーマンです。
カンバーバッチよりもさらに話口調で、ワトソンのキャラクターがそのまま話しているようです。
これまた前回同様、言語明瞭意味不明瞭というところがあります。おそらく読まれると、ははあこれね、とわかることと思います。
わたくしことながら、明日から一週間旅行に出るので、それまでにアップしてしまおうと急いだ楽屋裏があります。
フリーマンの言葉を借りれば、こういったことは大急ぎですべきじゃないんだ、ということになりそうですが。
では、どうぞ。

↓ここから

「マーティン、シャーロック・ホームズの現代版へ出演を依頼したいんだが?」
あれ、ま。

頭の中で警報がなった。テレビ用語で「現代」ってどういう意味だ? ラップで推理をやるのか? ホームズとワトソンがレクサスに 乗ってレストレードに会いに行く道すがらロンドンの街中に爆弾を投げ回るのか? しかもレストレードは車イスに乗ってるレスビア ンで昼食にはクラスAのドラッグがお好みだったりして。

実際は、このドラマについてのデイリー・メイルの記事を読めばぼくたちの作り上げた物がわかる。
だが、脇道へそれるが…ほんとうに警戒していたのはホームズが「かっこよく」なるという考えだった。いい意味のかっこいいじゃなくてテレビでの「かっこいい」だ 。それは、ほら…ちっともかっこよくないだろう? 
それにちよっと心配だったのは原作から離れすぎてしまうんじゃないかというこ とだった——ご推察の通り、原作はどれも読んだことがなかったんだけど、ね。

  コナン・ドイル?要チェック。バスカヴィル家の犬?要チェック。(あなたが投げかけてくれるホームズもの、どんなバージョンでも 見ますよ)ラスボーンとブルース? もちろん!(彼らはぼくの初めてのホームズ体験だった、今でもすばらしいと思ってる)
いい話は(はいはい、モファットとゲイティスはさておいて、後で彼らの話はするよ)ベネディクト・カンバーバッチにホームズをや らせようとしていることだった。オーケー、なかなか耳寄りな話だ。ずっと彼はいい仕事をしてると思っていたし、シャーロックにう ってつけだ、問題ない。しかし、だ。ぼくにワトソンをやれだって。これっていいことか? 興味がもてる役だろうか?別のやつが賢 さをひけらかしているときに、カメラの外で何かもごもご言うなんて、ちっとも面白いと思わなかった。

そのうえ、ナイジェル・ブルースに心からの敬意を払っていうのだが(ぼくにとってのワトソンは彼だけだ)、彼は永遠のワトソン役 でぼくよりも731年くらいも年長だった。(まあ、そういう感じに見えたのだ——ずっと昔のことだ。当時彼はやっと26歳だった)

脚本が届いて何もかもが、そうまったく何もかもすべてが腑に落ちた。雰囲気、進行速度、シャーロックとジョンの関係、アクション と、ぼくが会話の掛け合いと好んで呼ぶ部分のバランス———それらがページから飛び立ちぼくはぶっとんだ。スティーヴン・モファ ットとマーク・ゲイティスは間違いなく優秀な尊敬に値する脚本家だ。だが、ワトソンはぼくが思っていたよりもずっと活動的だった 。彼らが確かにそうしたんだね? 「もごもご」を引っ込めて代わりに「ドスッ!」(*重たい打撃音の擬態音、ボスッ、ドコッ)を加 えた?

いや、実際にはそうじゃない。スティーヴンとマークがシャーロックの脚本家としてやったことは奇跡に他ならないことだったと言い たいのだ。彼らの創案と革新は天才の技にちかいものだ——もしそういうものがあればだ。しかしぼくはおいおいわかっていくことに なるのだが、コナン・ドイルの素材は思っていたよりもずっと現代的で、ちっとも小ぢんまりとはしていなかった。

ジョンは傷病兵としてアフガニスタンから帰還した軍医だった、原作のワトソンと同じである。肉体的に堅固な男で、これも原作通り だ。さっきも言ったように現時点でぼくはコナン・ドイルを読み切っていない。だが、ジョン役をやるとサインしてから原作に親しみ 始めた。それは今も続いている。こういったことはあわててされるべきじゃないし、まだまだ読む原作が残っているのはうれしいこと だ。

たくさんの話がドラマ化してくれとせがんでいる———ほとんどがドラマ化にこれ以上いい話が思いつかない話であるのは偶然ではな い。ただ筋立てがとても巧妙だからというだけではない、実際とても巧妙なのだけど。また、人物がとてもうまく描かれているからと いうだけでもない、実際とてもうまく描かれているのだが。
会話の掛け合いが絶妙なのだ!読めば読むほど、さまざまなTVと映画の脚色において、ドイルの編み出した会話のすべてがまったく変更されていないということがわかってくるのだ。そこにはドラマがある。 真の機知がある。あなたが今手に取っている本がそのいい例だ。

ぼくに言えるのはこの本にメアリー・モースタンがでてくることだ。ジョン・ワトソンにとっていい知らせだ。残りはあなたがご自分 で見つけ出してください。そして、たっぷり楽しんでください。

マーティン・フリーマン

おや、この回には訳者による注はなかった、それだけわかりやすかった…のかな?


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