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かくれざと

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桜の季節があわただしく過ぎゆこうとしています。
そんな日の午後に思いがけなく隠れ里を見つけてしまいました。

発端は火曜日にジムに行った帰り。駐車場の西に延びる家並、その背後にうっすらと雲のように幾本か桜の花があるのに気が付きました。
この市に住むこと何十年、そちらに小さな川があるのは知ってはいましたが一度も足を向けたことはありません。

桜にひかれて思いたち、うらうらと暖かな日の照る午後、母を連れて過ぎゆく春の探訪に出かけました。
そこにあったのは、町の喧騒から切り離された穏やかで静けさに満ちた別世界でした。
曲がりくねった川に沿って両側の堤防にどこまでも伸びる桜がありました。とおる人影もなく、ただただ何千という花びらが一斉に風に散り、きらめく川面に帯となって流れていきます。

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堤は降り敷く一面の花、足を下ろすのがためらわれるほどの薄紅色。花筵という言葉の本当の意味がやっと実感として分かりました。
水音に時折混ざるのは遠くの鶯の声。どこからこんなにたくさんやってくるのだろうと思うほど次々に水面を染めて軽やかに過ぎてゆく花びら。花筏。

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歩くこと20分余、それでも数人に出会っただけ。みな心行くまで花を愛でているようで語らいもひそやかです。わたしたちも、ただ散る桜と流れる桜にうっとり目と心を奪われ、堤に萌える草と名も知らぬ小さい花々にいちいち嬉々として、最後に出会った小さな橋を渡って対岸の堤をたどって、ゆく日を惜しみつつ戻ることにしました。
花見の名所はたくさんあっても、だれにも邪魔されずに心ゆくまで花を楽しめる場所は滅多にないもの。
近場にこんな時空のポケットのような空間があるなんて!

武陵桃源は流れ来る桃の花をたどって見つけられました、ちょっと趣向は違うけれどこちらは桜の雲をたどって見つけた隠れ里でした。

土手から臨んだ小山。ここにも一群れの桜が。堤の桜のリフレイン。

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ああ、いい一日だった。

やあ、こんにちは

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というよりは、ヘイ、ベイベー という感じ。
暖かくなったら庭に花が咲きだす。
時を同じくして活動しだすのが、やつらだ。
まあ見たってよ、この どや顔。

別に悪さをするわけじゃないけれど洗濯ものを干している足元をちょろちょろされると、そうそう平常心ではいられない。
かろうじて悲鳴をあげるのは堪えるが、思わずわっとたたらを踏む。

今日のやつは陽気のよさに思わずとろりとなっていたのか、のんびりポーチの上で日向ぼっこを決め込んでいた。
すかさず一枚。ズームアップしてもう一枚、その途端にこの顔。

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なんでも知ってるぞと言わんばかりの目つきでねめつけられてしまった。
あんた、向日葵の咲かない夏のミカちゃんじゃないんでしょうね?
まだスリムで小柄、馬車の御者にはちょっと無理か。
そんなことを思ってたら、相手してらんねいぜとばかりに、大義そうに物陰へ消えていった。
ちぇ、もちっと遊びたかったのに。

今年も咲きました

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雑草の方が多いわが家の庭です。
春一番に(ほんとは二番か三番)さくのがこのカタクリ。
何年も前に両親が山から採ってきたきたのがうまく根付いて、毎年けなげに愛らしい花を咲かせます。
山では群生地があるようですが、庭では勝手が違うのかおとなしくちまちまと増えています。大事にしなきゃ。

桜をはじめとして今年はすべからく春の花の開花が遅いようです。(ちなみに当地ではまだ桜は固い蕾。ちらりとも白い花びらは見えません)

今街中を走ると(車で)目を引くのが白木蓮。白い蕾が枝にいっぱい。まるで白い小鳥が枝という枝にとまっているよう。
それを見ていてこんなクイズを思い出した。「電線にスズメが十羽とまっていました。鉄砲で一羽撃ちました。何羽残ったでしょう?」
いつも思うんだけど、この白木蓮も近くによってわっと脅かしたら、もしかしたらばあっと蕾が飛び立って逃げてっちゃうかもしれないな、ってね。

一度は試してみたいと思うんだけど、よそ様のお宅の庭木に向かってやってみる勇気がまだ出ない。

(恒川光太郎 「竜が最後に帰る場所」収録 鸚鵡幻想曲 に似たイメージ?)