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春憂――妄想その3

P1090594

ぼくは旅人だ。こういうせりふを一度言ってみたかった。
そう、ぼくは旅人だ。思いたってここ日本の中央に位置する、とある古い町の城跡までさすらってやってきた(なんだかかっこいいだろう)
ときに早春、空は青い。泣きたくなるくらい青い空に白い雲が浮かんでいる。明るさ極まるところに生じるこの悲しみはなんなんだろう。
目を上げれば、あたりは冬の名残が色濃い。春ともなれば丘一面に萌え出すはこべらもまだまばらで、腰を下ろせるほどに伸びた若草もない。
丘の中腹にはまだ白い敷物をひろげたように雪が残っている。明るい日差しに雪は次第に溶け出している。うっすらと地面が見え出すのも遠くないだろう。

だが、光は暖かみを増したとはいえ、野に春の香りが満ちるのはまだ先のこと。春はまだ浅い。ただひとつ、麦の緑だけが景色の中にぼくの目を引く。これから爛漫と咲きゆく春を予感させてくれる緑だ。
農地の交いの小道を足早に歩いているのはぼくと同じような旅人なのだろうか。いや、旅人だとしても彼らは仕事で旅をしているのだろう。そこが流れ雲のようなぼくと基本的にちがうところだ。ぼくは……ああ、ぼくだ。

夕暮れともなると、先ほどから見えていた古い火山も暮れなずんで見分けがたい。どこからか歌が聞こえてくる。哀切な笛の響きだ。
さあ、河の土手をあがって岸沿いにあるホテルに帰るとしよう。地酒でも飲んで、この癒えぬ心を抱く旅人の悲しさをしばし忘れるとしよう。
いや、ますますつのる悲しさをゆっくり味わうために飲むのかもしれない――おそらくそうなんだろう。

妄想の暴走第三弾です。そのうちに叱られるかも。

Comments

おおおーなんだか短編小説みたいな趣になってきた。
妄想暴走の続き(またちがう方向になるのかしら?)楽しみにしてます。
それにしてもお花きれいに咲いてますね。
うちの玄関にも母がちびちびと花を植えて楽しんでます。

Oさん

自分でもあほなことやってると思いながら、もう少しネタ切れになるまで続けます。
書き出すまでどっちへ行くかわからないというミステリー投稿です。

春にはどこのお宅にも花が咲いて思わず足が止まります。
この画像はクリスマス・ローズ、今夜上げた記事のはゆすら梅です。
Oさんちには何のお花が咲いているのでしょうか?

うちにはお庭がないので、プランターに植えて楽しむ小さい花、おもにパンジーだとか小菊、マリーゴールド、ガーベラみたいなのが寄せ集まってます。
今はパンジーが何色もたくさん咲いてますね。
ここのところ毎年夏には月下美人が咲いてくれてたのですが、今年はどうかなあ…

24日づけの内容はとなりにいないおっかさんに語りかけているちょっと切ない内容ですね。
これ、もしや最後に「こうつながってたのか!」みたいになるしかけがあるのかしら…??

ネタ切れになるまで(笑)楽しませていただきますね。

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