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ロイヤル・シェークスピア・カンパニー;ハムレット

P1070556s昨夜は思わず夜更かしをしてしまいました。
夜も更けて、そろそろテレビを消そうかと思った時に画面に映ったのがデビッド・テナントくんの顔。そう、ドクター・フーであります。彼がロイヤル・シェ-クスピア・カンパニー公演のハムレットをやるんだって。
(これはポローニアスを間違って殺してしまったあと王に捕まって尋問!を受けている場面のテナントくん迫真の演技です)


P1070555s しかも次に現れたのがキャプテン・ピカード、いやパトリック・ステュワートではありませんか! 彼がシェークスピア役者であることはつとに有名ではありますが、今回はクローディアスと父王ハムレットの亡霊の二役を演じるとな。

(こちらの画像はハムレットを英国に送り出し、着き次第処刑させようと謀っている、悪の匂いがぷんぷん漂うクローディアス王)

もうこれは見るっきゃないと10::45から1:54までかぶりつきで見ました。しっかり録画も。

舞台はロンドン郊外の廃校になった小学校の校舎を使って撮影し、衣装はタキシードに黒ボウタイ、Tシャツにジーンズ、こういう現代衣装で通常の舞台とは違ったテレビでの放送視聴を前提とした演出なのだけれど、まったく違和感がありません。 もちろん台詞はシェークスピアの原本通りなのに、それでも時代錯誤の違和感がないのには驚かされます!

思えばハムレットを全幕通して見たのはかなり昔、ローレンス・オリビエの白黒映画。文芸作品として文字で読んだのも確か中学のときだった。
その当時の印象は「単純」──謀殺された父の亡霊に復讐を誓い、孤立無援の宮廷で復讐のために狂人を装い、恋人も捨て、恋人の父を殺し、追放されるも舞い戻り、仇たる叔父王の御前試合でこれまた復讐を誓う大臣の息子と刃を交え、人々の行き違い、思い違い、その他もろもろの要因が絡み合って、ついには王、王妃、大臣の息子、そしてハムレット自身も皆死んでしまう……というまことに大時代的な(当然の事ながら)いかにも作り物っぽい筋立てでリアルさやはらはらどきどきサスペンスもなく、平板な退屈なお話だという印象を持ってしまいました。
複雑なプロットを巡らし、あっと驚くどんでん返しを楽しむような今時のものと違って、先が見えてしまうお話で、その間に長々と言葉遊びにも似た独白が挟まる、こういう、まさに鑑賞能力不足に原因するとほほの印象を引きずっていたので、恥ずかしながらこの歳になるまで、ハムレットはつまらないと、まともに見直したことがありませんでした。

P1070560s (オフィーリアの埋葬が行われるとも知らず英国から秘かに戻ったハムレットが、墓場から掘り出された髑髏を手に持ち、唯一の友人にして理解者のホレイシオに人の生は無常だといみじくも語るところ)

ところが、昨夜は感動しました。コスチューム物の演出でなかったことが幸いしたのか、時代性を感じずに済み、その分現代物のサスペンスを見ているような気分になりました。長々しいと思いこんでいた各々の人物の独白にしても、各々がそれぞれの立場で考え、疑い、惑い、あるいは恐れているのを浮き彫りにしています。各人がおのれの思惑で手探りで先へ進むように時間が進み、偶然と必然が交差してあの終局へなだれ込んでいくのが不自然さもなく納得できました。
今になったからこそ理解できたのかもしれませんが、まさに「芝居じみた」台詞の裏にそれぞれの心、本音がちらりと覗いている。特に各人が行きつ戻りつして迷っている様がよくわかる。現実の人の行為もその通りなのだろう。

テナントくんの切れっぷりもよかったし、ナイーブな(悪い意味!)なオフィーリアも妙に脆い現代女性的な局面も見せていてこれまたよかった。キャプテンは思いきりブリティッシュで歯切れのいい台詞を聞かせてくれたし、悪人役なのにどこか憎めない気品のあるクローディアスを演じてくれました。ハムレットに詰め寄られ、王妃の命を奪った毒杯を自ら仰ぐときには、ちょいと肩をすくめるなんて! んもう、すてきじゃない!
あらら、話が落ちてきた。馬脚が出ないうちにそろそろ打ち止めに。
うん、シェークスピアは奥が深い。やっと実感。

近場巡りの連休

連休は家でごろごろ派です。ただ、あまりにゴロゴロしていてもかえって体がだるいので近場をひとまわりすることにしました。

P1070418sまず向かったのが白戸家CMのロケーション舞台になった福鉄の旧西武生駅(現在は北府駅と改名されています)

駅前にあった、これも古い建物だった旧営業所が取り壊されて、あたりが広々となり、駅舎は明るくあっけらかんと立っています。

無人駅なので出入り自由、一室の駅舎からホームへ出るのもほんの2,3歩です。
CMのあの暗さはなく、5月の陽光の中でぽつねんとどこかくたびれた様子で立っている駅舎、それでもぼちぼち訪れる人もいて、なんとなくひとまわりしてホームに出て写真を撮ったりしています。

P1070407sおそらくここが撮影に使われたのだとおぼしき待合いのイス。CM画面に見えていた伝言板とか時計とか、駅らしさを思わせる小道具は無く、代わりに撮影時のスチール写真が飾られていたのはご愛敬でした。




P1070419sこちらは隣市にあるお気に入りのカフェ。一度夜桜観桜会のことを書いた覚えがあります。偶然にこのカフェのブログを見ていたら「5月5日をもって閉店」とお知らせがあるのに仰天して、思い出に最後のコーヒーを飲みに行きました。
昼の開店直後で目当ての窓に面したカウンター席が空いていてラッキーでした。
桜はすっかり葉桜になっていて一面の新緑。常にどこかの葉が風に揺れていて見飽きる事がありません。
流行らないから閉店になるのではなくて、流行りすぎて家族経営では負担がかかりすぎるから、無理をするよりはいっそのことやめてしまおうというのが閉店理由だとか。


P1070426s 四季折々に合わせたマスター自慢の芳醇なコーヒーと、何度食べても飽きない奥さんの手作りのふわふわの焼きチーズケーキ。それを頂くのも今日が終わりと、いつもよりも時間をかけてじっくり味わいました。
ちょいと隠れ家的な知る人ぞ知るの素敵なカフェでした。店内はその名にちなんだ桜の小物尽くし、窓からは公園のような広い庭が見渡せて、春には桜、夏には緑陰、秋にはドングリと落葉、冬には一面の銀世界と眼を楽しませてくれ、開店以来終始、俗に流れず質を落とさず、一時のコーヒータイムを楽しませてもらいました。
いつの日か、カフェが再開されないか、今からそれを心待ちにしています。
かくして連休中の1日の近場お出かけは終わりました。