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世間を 騒がせた/笑わせた エイプリル・フール

もう2日も前の事になりますが、今年のエイプリル・フールには、皆さんうまく人を担げたでしょうか?

エイプリル・フールの起源には諸説があるものの、一番信憑性のある説は、ずっと以前ヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していたのが、1564年にフランスのシャルル9世が旧太陽暦(ユリウス暦)から現行の太陽暦(グレゴリウス暦)へ1月1日を新年とする暦に切り替えました。
これに反発した人々が、4月1日を「嘘の新年」とし、馬鹿騒ぎをはじめました。シャルル9世は「嘘の新年」を祝っていた人々を逮捕、処刑までしました。人々はフランス王への抗議と、この事件を忘れない為に、その後も毎年4月1日になると盛大に「嘘の新年」を祝うようになっていった。これがエイプリルフールの始まりであるという説。
他にもインド起源であるとか、定説はないようです。

4月1日に友人から「北朝鮮のミサイルが予定より早く発射された!」というメールが飛び込んできて、半信半疑ながら一応テレビを点け、ネットを繋いで情報収集しましたから、これはやっぱり一杯食わされたのでしょうね。

イギリスのBBCは4月1日に嘘のニュースを流すので有名です。昨今は誰も引っかからないのが当前の様になっていますが、1957年に流した2分30秒弱の"Swiss Spaghetti Harvest "(スイスではスパゲッティの収穫真っ最中)のニュースに多くの人が引っかかって本気で問い合わせが殺到したという、なんとも愉快な話があります。


こちらにその制作背景について詳しく説明されています。

国民的人気アナウンサーのRichard Dimblebyの信頼性のある声で、「イタリアとスイス国境に近いティツィーノでは例年になく暖かい冬のお陰でスパゲッティの大豊作になっています。」と切り出し、まことしやかに「3月後半はいつも遅霜の恐れがあり、スパゲティの風味が損なわれて市場で高値がつかないと、スパゲッティ栽培農家にとって悩みの種なのですが……」とついつい引き込まれる例証が上がります。
「イタリアのような大規模経営と違ってスイスでは農家の家族経営となっている」そして、木になっているスパゲッティを収穫する女性の映像、「天候の他に豊作のもう一つの理由は、それまで駆除の困難だったスパゲッティ・ゾウムシが姿を消したこと」と、これまたそれっぽい。
その後取り入れたスパゲッティをアルプスの暖かい日光のもとで乾燥させます。映像を見てどうして同じ長さのスパゲティが木になるのかという、当然至極の質問が寄せられることを予想して「栽培農家の長年の大変な努力精進の結果、完璧なスパゲティを作るのに成功した」などと先回りして解答しています。
早朝に取り入れて乾燥させて、最高においしいスパゲティが庭先のテーブルに運ばれてきます。乾杯して満足げに食べる人々の姿に「本当のホーム・メイドのスパゲッティほど美味しい物はありません」とナレーションがかぶります。

放送直後にBBCには電話が殺到して、本当に木にスパゲティがなるのか?と半信半疑で問いただす者、それにも増して、どこでスパゲティの木の種が入手できるのか?その栽培方法は?という質問が多かったとか。
これに対してBBCは「スパゲティを一束トマトソースの缶に入れてよい木が育つのを待ってください」と解答したそうですw
まだスパゲティがイギリスの一般家庭の食卓では珍しい頃、しかもTVというメディアに信頼を持っていた頃のなんともほのぼのしたエピソードです。
その後もBBCは「ビッグ・ベンのデジタル化に伴う時針と分針の譲渡」とか「フライド・ポテト、学生食堂から追放」とか「イギリス国歌がユーロのベートーベン第九歓喜の歌になる」「惑星直列で重力減少現象がおこる」などユニークなガセを流してきました。 BBCの流したエイプリル・フール報道

そして特記すべきが2008年度の"Flying Penguins"「空飛ぶペンギン」です。



こちらはとみに有名で、誰もがこれはCGIだとわかる仕組み。見た人はよくできた映像に笑いを誘われ、1分30秒のクリップを作るのに要した真面目な労力に感心するのです。
こちらも「最近発券されたペンギンのコロニーは他にはないユニークさを持っています」と始まり、「毎年冬の厳寒から身を守るために寄り固まる必要がありません。というのもペンギンたちには他の仲間たちにはできないことが可能だからです」
足元に群れていたペンギンたちが雪の上をぱたぱたと走り出し、勢いづいてホップ、ステップ……そしてなんと空に飛び上がるのです。ナレーターの上空を群を成して飛び回るペンギンの群!
ペンギンたちは氷山のアーチをくぐり(中には頭をぶつけるどじなやつもいる)そのまま飛び続けます。
「ペンギンはこの信じがたい能力をどう使っているのでしょう? 彼らは何千マイルも飛んで南アメリカの熱帯雨林へたどり着くと、そこでゆっくり熱帯の太陽の下で日光浴をしながら冬を越すのです」
最後の映像は特に美しいのです。逆光でシルエットになったペンギンが勢いよく熱帯の植物の上に足から舞い降りてくるところでエンドとなります。こちらにFlying Penguinsのメイキングもあります。

ディテールに凝った「ナレーション」で信憑性を図った1957年のスパゲティと違って、ペンギンは「映像」に語らせています。時代と技術の変化というものでしょうか。しかし、受け取る側の心持ちも50年間で大きく変化したようです。
情報量の絶対的な増加とともに、人々のセンス・オブ・ワンダーを感じる心は鈍化していったのかも知れませんね。

参考
エイプリル・フール・ネタ、オールタイム・ベスト100

Comments

エイプリルフールは自分がやるとシャレにならなそうなので毎年止めてます。

昔、大阪に居た頃に1回やったら
(「転勤決まりました!!」ってね♪)
本気にされ大変な事になりました。。。。。滝汗

今年はブログトップでやらせて貰いました。
ちょっとだけウケてまあまあだったなあと。
自己満足~。(笑)
しかしペンギンにしてもスパゲティにしてもお金掛けて
頑張っていて尊敬してしまいますね!
来年はどうしようかなあ。

>丞相
余りに真に迫っている嘘は本気にされてしまうと怖いですよね~
でもバレバレの嘘もつまらんし。
転勤はありそうな話しだからさもありなんです。
今年は何も無かったですか?

>マクノスケさん
ブログ、にんまりして拝見しましたよ!
一日限定で残念でした。
日本のマスコミはBBCみたいなはっちゃけぶりは見せませんね。
きっと後で責任だとか良識だとか突っつかれるのが怖いからでしょうね。
日本社会はゆとりがないのかしらん。。。

こんにちは
スパゲティのお話し、映像を見る前にHelvaさんの文章を読んだので、そんな昔の話だとはわからず「え~、そんなばかな」と思ってました(笑)
昔なら信じちゃったのも仕方ないのかもしれませんが、BBCの「スパゲティを一束トマトソースの缶に入れてよい木が育つのを待ってください」という解答は最高ですね!
それで大丈夫だったのかしら(笑)

空飛ぶペンギンはニュースでもやっていました。娘がウケまくって大笑いしてました。
さすがに今時は子供でも信じませんね。
でも、夢があってとても素敵な映像でした。

あ〜乗り遅れた!
イベントごとに弱いんのと、身内に4月1日生まれが二人もいるので、嘘をつく環境じゃないのもありw、例年テレビのニュースで確認するくらいなんですが、大昔のスパゲッティの収穫ニュースは初めて見ました!
昔懐かしい映画館で流れていたニュースみたいで、趣があっていいですねえ。BBCのキングス・イングリッシュも心地よくて品格漂う嘘。
結局、日頃真面目な人がつく嘘が一番ウケるということかも。

>Organaさん
冗談を冗談と笑って許す、というかいっしょに乗って喜ぶ、そういう気風が英国人は強いようですね。
今の日本でNH○がやったら始末書物でしょうね。
ペンギンはすてき、本当に飛ぶのが見られたらどんなにすごい眺めだろうと担がれてみたい気分でした。

>onionさん
スパゲッティの方もバックグラウンドの話を読むと、茹でたスパゲッティを吊すのに苦労した──そのままだと滑り落ちる、次は乾燥して曲がったりする。
撮影まで濡らした紙でくるんでおいてさっと外して撮ったらしいですね。
そこまでしてガセ映像をでっち上げてまことしやかな説明までして。
まさに時間とお金を掛けて作る方も楽しんだということでしょうか。

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